きみどり男の怖い話@夏の怪談
暑いですね。今日は怪談でもして、涼しくなりましょう。
きみどり男はある田舎で生まれて育ちました。そこは歴史のある古い村ですが、名は知られていません。
きみどりは初代のご先祖様の名前をそのままつけてもらいました。すごーく変わった名前なんです。同じ名前のひとは見たことがありません。
小学生の頃、村に農業用の用水路が整備されました。マンホールなんて見たこともなくて、きみどりは入ってみたくて仕方ありません。マンホールは村中に網の目の様に整備されました。
ある日、その日は近所の川で犬が死んでるから数人の友達と見に行きました。橋の上から高さが7メートルくらいあったかな?川のなかで野犬らしき茶色い犬が死んでいて、小さな石をぶつけて起きないか様子を見たりして遊んでました。そういう時代でした。
そのうち死んでる犬を生き返らせる石投げのおまじないにも飽きて、みんなでマンホール探検に行こうと言うことになりました。
きみどり男と四人の友達で、合計五人で犬が死んでいた川の近くの用水から入りました。
探検の口火を切った友達は張り切って先頭を歩いて行きます。最初は水もくるぶしくらいで楽勝でした。マンホールは涼しくて天井は大人の男の背丈くらいありました。丸くて長くてトンネルみたいでワクワクしました。
きみどりは小さなキーホルダーの懐中電灯を持っていたので、ちらちらとその小さな懐中電灯を使って二番目を歩いて行きました。
でも
変なんです
蜘蛛の巣がもろきみどり男の顔に引っかかるんです
先に歩いてる友だちがいるのに、、、
まるで、きみどりが先頭を歩いてるみたいに、、、しつこくしつこく、蜘蛛の巣がきみどりの顔にまとわりついては千切れていきます、、、
蜘蛛の糸が顔にかかるたび、
鉄のような匂いがしました
血の匂い?
ものすごく嫌な匂いなんです。
嫌になり、先頭を行く友だちに声をかけましたが、返事をしてくれません。
友だちはどんどん先を行きます。追いつくのが大変でした。そのうち、四番目を歩いていた友達が泣き出して帰ると言い出してしまいました。その子は少しだけ小柄だったから、ついて歩くのが大変でした。いつの間にか水かさが増し、太ももくらいになっていました。
つづく!